まえばしカウンセリングオフィス開設に当たって

この度、まえばしカウンセリングオフィスを開設するに当たり、どのような考えから心理士による個人開業オフィスという形をとったかを、当オフィスの利用を考えておられるみなさまにお伝えしたいと思います。

今まで学校でのスクールカウンセリングや精神科クリニックの心理面接、職場の相談などさまざまな場で多くの方々のお話を伺ってきました。

それぞれの場に応じたさまざまな相談がありましたが、カウンセラーとして感じたことのひとつは、カウンセリングを行なう場の都合で相談者の方のご要望になかなか応じきれないことでした。心理士によるカウンセリングを実施している施設の側の都合が優先されることがあって、これはカウンセラーが雇用される立場上、どうしても避けがたいものがあります。スクールカウンセリングでは学校の長期休みには実施できなかったり、医療機関では主治医の都合で希望の日程が取れなかったりといったことがあります。同様に、カウンセリングの頻度もなかなか自由にできません。

またカウンセリングは非常にパーソナルで難しい問題を扱うので、できるだけ安心できる環境で行なうことが望ましいのですが、これもカウンセリングを実施する施設によっては落ち着けない環境で我慢せざるを得ない場合があります。

学校にせよ、医療機関にせよ、またその他の施設にせよ、相談に来られる方はカウンセラーだけでなく、そのカウンセラーが所属している組織や施設のことを意識しますし、時には遠慮したり気兼ねすることもあるかもしれません。

心理士の個人開業オフィスの場合はそうした難しさがなく、ただカウンセラーにだけご要望を伝えることができるのです。

生きていくうえでさまざまな困難や悩みを抱えておられる相談者の方が、安心してご相談いただけるよう、できるだけご利用いただきやすい機会と環境を提供したい、それがまえばしカウンセリングオフィスを開設した根本の理由です。